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桜 [本・小説]

』(勝木俊雄 著 岩波書店 岩波新書)
花は桜──。古来より日本人はこの花を愛し、格別な想いを寄せてきた。
里の桜、山の桜、豊かな日本の自然に育まれ、
桜は各地で多種多様な姿を見せながら息づいている。
都会にも咲く‘染井吉野’は、日本人の美意識を象徴する。
植物としての基礎知識から、歴史・文化とのかかわりまで。
心をとらえてやまない、花の魅力のありかを伝える。
(岩波書店 公式サイトより)

長年、桜の分類と保全を携わってきた研究者による、
「生き物としての桜」として語られた本。

桜の基礎知識では、日本に自生するサクラは10種類だけ。
サクラ属や、種と栽培品種の学名、和名、雑種・変種等、
例を挙げて説明されています。
何しろ園芸種の場合、枝変わりで新しい品種と言う……

クローンであるソメイヨシノは、開花時期が揃いやすいので、
一斉に開花して、見事な桜並木となる訳ですが、
全国の桜前線の観測対象なのも、同じ物で対比しやすいから。
(北海道・沖縄は除く)

里の桜、人が創ったサトザクラ。
多様な栽培品種がありますが、
狂い咲き、早咲き、枝垂れ、特殊な花色、八重咲き、菊咲き。
それぞれの特徴と、該当する品種名が挙がっています。

山の桜では、10種類のサクラの楽しみ方として、
沖縄のカンヒザクラから、深山のミヤマサグラまで紹介。
いつか実際に見てみたい。

そして最後に、桜のこれからとして、
昨今、気になる桜の開花日への地球温暖化の影響。
震災の復興プロジェクトの一環として植林される、
オオシマザクラの遺伝子汚染問題なども取り上げられていて、
著者の桜に対する思いが伝わってくる本でした。
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