SSブログ

どう考えても、奴の勝ちだ [ケータイ捜査官7 感想]

ケータイ捜査官7 第40話「桐原とサード」
あらすじは、テレビ東京:ケータイ捜査官7 バックナンバー 参照。

先月行われた舞浜シネマイクスピアリで、予告が先行上映された3作のうち、
最もインパクトがあったのが、この話でした。
桐原にすがりつくようにして、必死に止めるケイタも、
己の身を投げ出して桐原の拳を止めるサードにも、息を呑みましたが、
「今の桐原は、かつての俺のバディ達と同じだな」と、ゼロワンが過去を語る言葉に絶句。
台詞だけだったので、誰に話しかけているのか不明でしたが、
それほどまでに桐原が追い込まれている状況なのだと、わからせるには充分過ぎて。

13年前に、両親と10歳の弟を殺された桐原。
ネットの犯行予告に使われていたハンドルネーム「アカツキ」を、
桐原はアンダーアンカーに入って追い続けていた。
そして、ついにその犯人を見つけた時、桐原とサード、
ケイタとフォンブレイバー達は……

とにかく、苦しくて切なくてやりきれなくて、ずっしり重い話でした。
今の法律ではどうにも出来ない一面や、
加害者だけでなく被害者までもが、ネタにされてしまう、
今のネットの現実を、残酷なまでに描いている。

「考えろ」と、常々桐原に言っていた滝本。
「私は、彼がこれからどう選択をするのかを、彼に一任します」
警察に通報せずに、桐原に任せると宣告する部長。
「それがエージェントの仕事なんですか」
犯人を殺しかねない桐原を、止めようとしてケイタが言った言葉は、
いずれも桐原を思うがゆえに、重いものばかり。

あれほど大切にしているサードを、二度も投げ捨てた桐原。
それだけで、もう、普通の精神状態じゃないとわかります。
そして、液晶が割れて、ボロボロになったサードが叫ぶ。
「桐原、やめろって言ってんだろ!殺すのか。
そんな頭の悪ぃ事をしでかすなら、おめぇとは今日限りバディの縁を切る!」
あまりのサードの変貌ぶりに、桐原の手が止まると、
「と、言う訳で、わたくしの言いたい事は以上でございます。
桐原様があくまでも一線を越えると言うのなら、わたくし、本日限りでお暇を頂きたく思います。
長々お世話様にございました」
そう挨拶をして、背を向け片足を引きずりながら去っていくサード。

桐原にとってサードはもう、家族と同様の大切なバディで、
初めて逢ったシーンとか、今までの事件での思い出話とか、見ていて胸に響きました。
そういう積み重ねがあるからこそ、彼はサードまで失う事は出来なくて、
何とか思い留まったけれど、ラストの桐原の言葉、
「どう考えても、奴の勝ちだ」が重い。
しかも、単に桐原の過去話だけで終わらせずに、
間明の関与と、これからの暗躍まで匂わせるあたりが……

犯人も桐原も、事件当時16歳、そしてケイタも16歳。
どうか、現実に少年Aである10代の人に見て欲しいと、切に思います。

最後に、桐原がいつもは白なのに、今回は黒の革ジャンだったのは、喪服だからでは。
と、言う意見があって、そう思ったら本気で泣けてしまいました。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。